話し合っておきたい
「子ども」のこと
「子ども」を希望したときに
気になることは?
-妊活と結婚式、妊娠 と仕事について知っておいてほしいこと-
妊活と結婚式、どちらを先にしたほうがよい?
妊娠によって、妊婦の体にはさまざまな変化が起こります。もちろん、妊活と結婚式を並行して進めたカップルもたくさんいますが、妊娠初期のつわりなどによる体調不良への不安や、どうしても譲れない結婚式のイメージや着たいドレスがある場合は、式が終わってから妊活を始めるのもよいでしょう。ふたりで家族計画を話し合って「妊活を優先したい」と考え、「パパママ婚」を選ぶ人も。どちらを先にすれば正解ということはありませんが、ふたりの思いを確認して進めてください。
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清水なほみ先生
日本産科婦人科学会専門医2001年広島大学医学部医学科卒業後、広島大学附属病院産婦人科・中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。 「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに女性の美や健康をサポートするための医療を提供。ブログや書籍、雑誌などを通し、健康に関する情報を発信中。
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妊活や挙式、新婚旅行・・・どれを優先するべきか悩んでいます
男女ともにその時点で受けられる「ブライダルチェック」「プレコンセプションケア」などの検査は受けて何も異常がない、または、女性側に婦人科疾患や内科的合併症が何もない場合、卵子の質や、妊娠成立時の染色体異常のリスクなど、総合的に考えて妊娠のチャンスが一気に下がり始める年齢が平均で37歳です。月経不順や子宮内膜症があったり、婦人科手術歴があったりする場合は、この年齢がさらに下がります。
ですので、妊娠と結婚式の実施の優先順位は慎重に考える必要があります。
「マタニティウエディング」や「パパママ婚」という選択肢も
妊娠時期と結婚式の時期が重なりそうな場合、妊娠中に結婚式をする「マタニティウエディング」と出産後に結婚式をする「パパママ婚」という選択肢があります。「マタニティウエディング」は、一般的には、「安定期」と呼ばれる妊娠15~16週以降から妊娠20週中頃までが結婚式を行うのに比較的支障が少ない期間と言われており、「マタニティウエディング」で理想の式を叶えたカップルもたくさんいます。この場合は、時期や体調を管理しながら担当医にも相談してみましょう。ただし、妊娠中の体調は「急変」することもあり得ます。万が一の場合は、体調を優先して結婚式をキャンセルする心づもりも必要です。
会場契約後に妊娠が発覚。まだおなかも目立たない時期だったので、今のうちにやってしまおうと妊娠5カ月で挙式しました。ゲストに新しい命の報告ができたし、着られるドレスへの影響もなくてよかったです。座る姿勢が苦しかったけど、つわりも治まっていて、自分自身も楽しめました。
出産後だと、体型が戻るかどうか不安だったのと、子どもと結婚式を行うのは大変そうだなと思ったので、妊娠8カ月で挙式しました。ただ、予想以上に太ってしまい、ドレスで歩くのと、トイレが近いのだけは大変でした。
子どもが動き回るようになると、挙式どころではなくなると思ったので、子どものハーフバースデーのお披露目も兼ねて生後6カ月で挙式しました。まだ軽いのでパパに抱っこしてもらいながら式を挙げ、ふたりで子どものほっぺに誓いのキスができてよかったです。
授乳の間隔も空くようになり、少しずつ離乳食が食べられるようになった時期にと生後1年1カ月で挙式しました。授乳中の体型での衣裳合わせ、子連れでの打ち合わせ、挙式中にぐずる子どもなど、大変なことはいっぱいありましたが、歩き始めのかわいい盛りに一緒に記念写真を残せて大満足です。
妊娠、仕事どちらもがんばりたい!それって可能?
体調に波のある妊娠中は、職場の協力も不可欠
近年では女性の就業率が上昇し、産休・育休制度の整備も進んでいることから、妊娠中でも仕事を続ける人がとても増えています。一方で、「妊娠中も妊娠前と同じように働き続けられるか」「体調がつらいときの仕事はどうしたらよいのか」と悩む人も多いでしょう。妊娠中は体調にも波があり、よいときもあれば悪くなるときもあります。妊娠と仕事の両立については、パートナーはもとより、職場の同僚などの協力を得ながら負担のかからない働き方をすることが大切です。
妊娠初期と仕事の両立で気をつけたいこと
妊娠中は体に負担のかからない働き方を大切にしましょう。現在では、働く妊婦さんはいくつもの法律に守られ、制度上、妊娠・出産を最優先としたうえでの就業ができるようになっています。ご自身の勤務先の制度のなかで、妊娠中に利用できる制度にどのようなものがあるか事前に確認しておき、必要に応じて療養期間を取る、作業を制限してもらうなどの措置を職場に相談し、講じてもらうようにしましょう。
- POINT1
危険な作業はできるだけ避けて
業務内容に転倒や事故による外傷(けが)の危険がある仕事は必ず避けましょう。極端に暑いまたは寒い場所での作業や、放射線・化学薬品へ晒される可能性のある作業もNGです。事業主には妊娠中の女性を危険な業務に就かせることは法律で禁じられていますので、業務の転換などの措置をお願いすることが可能です。
- POINT2
ストレスや慢性的な疲労に要注意
重いつわり、出血している、おなかが張っているなど以外にも注意してほしいのが、ストレスや慢性的な疲労の蓄積。
日々仕事をしていれば一時的なストレスや疲労は誰もが感じるでしょうが、慢性的で継続的、必要以上に自分が追い込まれるような状況は妊娠中にはおすすめできません。仕事だけではなく、家庭内ではパートナーの協力を得ながら、妊娠・出産を最優先にできる働き方・過ごし方となるようにしましょう。
職場への報告タイミングはいつがよい?
職場への妊娠報告は「安定期に入ってから」と言われることが多いですが、2022年に「ゼクシィBaby」が行った調査(※)によると、「自分の職場で上司に妊娠報告した時期」は、妊娠2カ月が45.2%と最多。次いで妊娠3カ月が29.6%と、安定期より早めに報告している方が多いという結果でした。安定期より早めに職場へ報告した理由は以下のようなものでした。
立ち仕事や力仕事のため
職場にあまり早い段階で言いたくありませんでしたが、5週目からつわりが始まり、接客業で重いものを運ぶ仕事だったため、早めに報告しました。(Kさん)
体調不良のため
妊娠4週目でつわりがスタートし、6週目にはだいぶひどい状態になり、さすがに職場の人に異変に気付かれたので、そのまま妊娠を報告しました。(Pさん)
妊婦が避けたほうがよい仕事のため
医療従事者なので放射線を浴びたりしないように2カ月ですぐ職場に報告して勤務の配慮をしてもらいました。(Jさん)
人事・後任探しのため
何かあったときに考慮してもらえるように、後任探しに間に合う妊娠2カ月の早めの時期を選び、職場に報告しました。(Nさん)
安定期より早めに職場へ報告した理由は、つわりの影響や職場のことを考えてのことでした。実際に、職場の上司に妊娠についてどのような報告や相談をしたか、職場の同僚にはどのタイミングで妊娠を報告したか、詳細は、ゼクシィBabyをご覧ください。
※記事内のデータ・コメントは「ゼクシィBaby会員」2,602人が回答したアンケートによるものです(2022年9月実施・妊婦さんと0カ月~2歳までのお子さんをお持ちのママ2,602人が回答)
妊娠によってどのような体調変化が起こる?
つわりに関する情報を知っておくだけでも不安は軽減できる
妊娠してうれしい気持ちでいっぱいだけれど、これから「つわり」が始まると思うと不安で少し憂うつな気分という人もいるでしょう。2022年に行った「ゼクシィBaby」の調査(※)によると、妊娠中に「つわり」を経験した人は、約88.0%。つわりがあっても症状が軽い人もいますが、なんらかの症状が出る人がほとんどと考えてよさそうです。「つわりが始まる時期」や「つわり対策」などを知っておくことで、不安が少し解消できるかもしれません。
つわりはいつ頃から始まる?どんな症状が?
同調査によると、「最初につわりに気付いた」のは妊娠5週目が29.9%と最多。次いで妊娠~4週目未満という結果でした。生理予定日前から「いつもと何か違う」と違和感があって気付く人が多いようです。
つわりに気付いた時期ときっかけは?
~妊娠4週目に始まった
電車に乗ったとき、においで急に気持ち悪くなり、「もしかして妊娠?」と思いました。(Aさん)
~妊娠5週目に始まった
食欲不振と味覚の変化がありました。納豆巻きが異常に食べたくなり、普段は飲まない甘い炭酸の飲み物が飲みたくなりました。(Mさん)
~妊娠6週目に始まった
6週目に入ったら吐き気と胸焼けが毎日のように続き、思うように家事ができなくなりました。(Mさん)
つわりはどう対処すればよいの?
吐き気、眠気、だるさなど、さまざまな症状が現れる「つわり」。個人差が大きく、日によって体調も異なります。妊婦さんがこの時期をどう乗り切ったらよいのかを紹介します。
つわりはいつ頃から始まる?どんな症状が?
同調査によると、「最初につわりに気づいた」のは妊娠5週目が29.9%と最多。次いで妊娠4週目未満という結果でした。生理予定日前から「いつもと何か違う」と違和感があって気づく人が多いようです。
- POINT1
空腹になるのを避ける
つわり中は、空腹感が吐き気や嘔吐を誘発することが多くあるため、できるだけ空腹になるのを避けましょう。少量の食事を1日に複数回に分けて食べたり、働く妊婦さんは、業務中に一口で食べられるミニおにぎりや小さなパン、飴や酸味のあるグミなどを常備しておくのがおすすめです。
空腹にならないよう、こまめに食べて、冷たい麺類などさっぱりしたものを用意するように。強いにおいの食べ物は避けました。(M.さん)
- POINT2
におい対策をする
つわり中は、以前は気にならなかったにおいが受け付けなくなることもあります。特に通勤電車やエレベーターなどの密閉された空間でのにおいをつらく感じる人が多いようです。マスクをつけたり、マスクに自分がすっきりと感じるアロマの香りをつけるなどでにおい対策を講じるのがおすすめです。働く妊婦さんは、可能であれば職場に時差通勤や在宅ワークなどを相談してみるのもよいでしょう。
においつわりだったので、柔軟剤やハンドソープ、ありとあらゆる人工的な香料を無香料に変えました。(Mさん)
- POINT3
水分摂取を意識した
夏場だったので、水分不足にならないよう氷を舐めていました。また外出時には吐けるように袋と氷と飴を持ち歩きました。(Kさん)
- POINT4
とにかく安静にした
とにかく安静にと、ほとんどソファから動きませんでした。ヨーグルトとフルーツだけを食べている感じでした。(Aさん)
おなかに赤ちゃんがいるからこそ起こるつわり。つわりはずっと同じ状態ではなく、妊娠時期に応じて症状が変わっていくケースが多く見られます。自身のつわりの症状を担当医に相談しつつ、家族や職場の協力を得ながら、つわりの時期を乗り切りましょう。
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高齢出産はどんなリスクがありますか?
日本産婦人科医会では「初産の年齢が35歳以上」であることを、「高年初産」としています。「高年初産」はいわゆる「高齢出産」のことを言います。日本産婦人科医会では、出産のタイミングが高年齢になることにより、以下のようなリスクがアップすると調査データを発表しています。
・ 妊娠しにくくなる
・ 流産率が高くなる
・ 妊娠前後のさまざまな産科異常の率が高くなる
└ 妊娠前からある異常(子宮筋腫など)
└ 妊娠中の異常(妊娠高血圧症候群など)
└ 分娩時の異常(分娩誘発や陣痛促進を必要とする率の上昇など)
└ 染色体異常の頻度の上昇
高齢出産に該当する人は、これらのリスクを知ったうえで、少しでも安心して妊娠、出産を迎えるよう備えておくことも大切でしょう。
ただ、妊娠のしやすさやリスクには個人差が大きいため、35歳未満だから大丈夫、ということではなく、早い段階で自身の体について把握しておくことが必要です。